2022年1月2日23:05からNHKラジオで放送された
ゲーム音楽をテーマにした特別番組がありました。!
今回はこちらの番組の内容と感想をお話したいと思います。
※内容に関してはすべてを記載することはできていません。
MCの清塚信也さん(ピアニスト)を中心にアシスタントの松澤千晶さん。
その他、様々なゲストの著名人と繰り広げるゲーム音楽トークは、
聞いていて新鮮な話であったり、共感したり、
ゲーム好きな方、そうでない方でもとても楽しめるラジオだったな!と思いました。
是非定期的にこのような番組を放送してもらえると嬉しいです。
『素晴らしきゲーム音楽の世界♪』ラジオの流れ
ドラゴンクエストの話
番組は冒頭から『すぎやま こういちさん』作曲 ドラゴンクエスト「ロトのテーマ」で始まりました。
清塚さんと松澤さんのことは正直良く知りませんでしたが、
2人の自己紹介だけで「ゲームが好きだ」ということが伝わり、
番組が盛り上がりそうな雰囲気を感じました。
特に松澤さんはこの番組で「バフ・デバフ」を担当する。
というゲーム用語を取り入れた自己紹介が個人的にハマりました。(笑)
清塚さんはピアニストということで、音楽的な知識が豊富だと思います。
そういった視点からの音楽の話はとても興味深いと思いました。
すぎやまさんは日本を代表するRPGゲーム「ドラゴンクエスト」の曲をほぼ全て担当されており、
全音楽家にとってとても大きな存在だとラジオで語られています。
ドラゴンクエスト初期の作品では音に制限があったり(3和音しか鳴らせない)
不自由な条件での作曲となっていた。
しかし、今その曲をフルオーケストラにしても何の違和感も感じさせないことから、
当時から不自由ではなく自由な音楽をしており、未来人のように感じた。というお話でした。
ファイナルファンタジーの話
ファイナルファンタジーの曲の多くは「植松伸夫さん」が作曲しています。
クラシックテイストな「すぎやまさん」に対してバンドサウンド、ロックのような響きの「植松伸夫さん」
キャラクター自身を表す曲が使われており、
この曲が流れた時には、このキャラクターが出てくる!といった感じがある。
作曲家でいうと、「ワーグナー」のような雰囲気みたいです。
ファイナルファンタジー7のメインテーマを清塚さんがラジオで生演奏してくださいました。
なんとグランドピアノがあるらしい。すごい!
とても聴きごたえのある、壮大なアレンジになっていました。
FF大好き。
ピアノサウンドって本当に癒されますよね。
この曲を聴いて『ミッドガルを出て広い世界を見た気持ちを思い出した』という松澤さんの感想に共感!!
モンスターハンターの話
昨年ゲーム好きな私達を興奮の渦に巻き込んだ「モンスターハンター」
メインテーマ「英雄の証」作曲は甲田雅人さん。
なんと、クラシック学生オーケストラや音大でも演奏したい曲ナンバー1らしいです!
実際演奏もされているとのこと。
オリンピックの行進曲としても使用されました。
東京オリンピックの話
ゲーム音楽全19曲が流れました。
松澤さん:「知らない曲もそこからゲームを知りたくなるので、音楽の力は大きい」本当にその通りです。
ここで、東京オリンピックの入場行進曲の中から数曲をメドレーにしたものがラジオで流れました。
メドレー1曲目
『ウイニングイレブン』より「eFootball walk-on theme」
『テイルズ オブ』シリーズより「スレイのテーマ~導師~」
『キングダムハーツ』より「Olympus Coliseum」
メドレー2曲目
『ファンタシースターユニバース』より「Guardians」
『グラディウス』より「Gradius in Classic I Act 1-1」
『エースコンバット』より「First Flight」
ゲームとその音楽、カルチャーが代表に選ばれたというのは、
ゲーム好きにとっては嬉しいものです。
清塚さんとのスペシャル対談 前半
ゲスト ミュージシャン「三浦大知」さん
三浦さんはゲームが好きなので、無意識にゲーム音楽を接種していますし、
音楽に導かれて、ストーリーの奥深くに入って行くとのこと。
自身の楽曲もゲームからの繋がりで作曲することもあるのだそうです。
三浦さんは今『ラストオブアス2』をプレイしている最中とのことで、
好きな曲も『ラストオブアス2』のエリーが弾き語る 「Take on me」 だそうです。
ラストオブアスのように荒廃した世界、というシチュエーションはゲームでは多くあるが、
そんな世界で「楽器」や「音楽」というのは一つのアイコンになり、
白黒がカラーになるようにギターの玄をポンと弾くと心にしみる。(清塚さん)
ゲーム中で音楽がより素敵に使用されており、
ストーリーが楽曲に新しい命を吹き込む瞬間がある。(三浦さん)
二人とも言葉での表現が上手すぎて、尊敬します。
私は、「音楽の良さを語って!」
と言われても、上手く伝えられません。
ゲーム音楽は大好きです。
なので、勉強になるし、
聞いてて「そういうことを私も感じてたんだ」と思えます。
『ラストオブアス2』の他には『ゼノギアス』の「鋼の巨人」という曲があり、
この曲を聴くと自分がプレイしていた記憶が音によって蘇ってくるとのこと。
『ゼノギアス』はとてもストーリーが難解で、当時すべては理解できていなかったが、
サウンドトラックを聞くと、音楽の引き出しに記憶が入っており蘇ってくる。
今思えば音楽に高揚感などがひっぱられてプレイしていたのではないかと語っています。
ゲスト 歌って踊れるゲーマーアイドル でんぱ組.inc「古川未鈴」さん
ゲームが大好きなのはもちろんですが、音楽というところが特に好きで、
思い出はストーリーもそうですが、音楽と共にあるので、
音楽を聴くだけで涙がでてしまうBGMが多いとのこと。
普段はRPGやネトゲ・FPSなどいろんなゲームをするそうです。
リクエスト曲は『ひぐらしのなく頃に』より「You Destructive」
『ひぐらしのなく頃に』というのは「サウンドノベル」(本を読んでいるかのようなゲーム)で、
ホラーという印象が強いです。
未鈴さんが言うには、
最初は怖くて、衝撃的なシーンもたくさんある。
ただ、すべて読み終えたあとに残るのはそういうシーンではなく、
思い出とか、みんなで悪に立ち向かう連帯感が残るから素敵な作品だ。とのことです。
「ひぐらしのなく頃に」はアニメは見ました。
確かに、衝撃的な作品ですよね。
「You Destructive」という曲は疾走感のある曲でした。
とてもかっこいい曲です。
熱いシーンで流れる。というのが想像できますね!
他にはサウンドノベル『かまいたちの夜』が思い出に残っているそうです。
未鈴さんが好きな曲で、「レクイエム」という曲があるのですが、
この曲が流れるときは、とても怖くて悲劇的な、
それはそれは大変な状況のときに流れていてるそうです。
怖さや不気味さを思い出させてくれる曲だそうです。
曲だけ聞くと綺麗な曲なんですけどね~。
「ゲーム音楽と私」メール 前半
著名人の方から「ゲーム音楽と私」というテーマでメールを頂いている。
※短く簡単にご紹介します。
岡崎体育さん
昔ポケモンのゲームで遊んでいたとき、
当時は3和音1ノイズまでしか表現できなかった。
その時初めて音楽の構造というものを認識し、音の足し引きの理論を感じた瞬間でした。(岡崎さん)
ゲームで気づいた少年心を、哲学的な大人の表現で語っている。(清塚さん)
南海キャンディーズの山里亮太さん
ゲーム音楽は聴くだけで、あの瞬間を思い出させてくれる、タイムマシーンのようなもの。(山里さん)
映画もそうだが、ゲームはより情熱をかけ、時間をかけ自分で動かしているので、
感情移入100%している。レベル上げの回だけでもすごい思い出になっている。(清塚さん)
豊崎愛生
ゲーム音楽は聴けばいつだってその世界に旅立つことができ、自分を主人公にしてくれる。
好きなゲーム音楽はFF7の「エアリスのテーマ」
自分の人生を変えた作品が『ファイナルファンタジー』だと思う。(豊崎さん)
「エアリス」は読み方を変えると「アース」となるで星を象徴している。
「エアリスのテーマ」はクラシックで古来より使われている宗教的な和音となっているのですが、
そういうところを感じて植松さんは作っていると思う。(清塚さん)
清塚さんとのスペシャル対談 後半
ゲスト 作曲家 伊藤賢治さん
『サガ』シリーズでお馴染みの作曲家。
現在はフリーの作曲家で昨年(2021年)活動30周年を迎えた。
話題は『サガフロンティア2』になり、
心地よい曲がある一方、ボスのバトル曲はそれぞれテイスト全くが違う。
サガフロ2に関しては、曲数、ジャンルの幅がすごい。
「作り終えたあと、真っ白になって一週間倒れていた」(伊藤賢治さん)
どれもテイストが違って、同じ人が作っているとは思えないと話している。
サガフロ2は私もプレイしたことがあって、音楽も大好き!
『旅の幕開け』は本当に心地の良い曲で、癒されます。
「いとけん節」っていうのは、戦闘のかっこいい曲でありながら、
メロディーは甘いなど、ロマンティックな曲のことで、
清塚さんも自分が作曲するときに影響を受けているようです。
ラジオで清塚さんとピアニストの高井羅人さんが、
2人で「サガ・バトルメドレー」を演奏してくださいました!
力強く、かっこいい演奏でした!
東京オリンピックで自分の曲が流れたことに関しては、
意外と半分他人事だったようです。
「嬉しい反面、信じられないような気持ち」(伊藤賢治さん)
ただ、自分の周りの人、
スクウェア・エニックスの人達が喜んでくれていたことは、
とても嬉しかったそうです。
ゲスト ファーストサマーウイカ
小さいころの夢は声優で、そのきっかけはゲームだったそうです。
ゲームにちょうど声が入りだした頃の世代で、ゲームに関わる仕事がしたかった。
しかし、クリエイターには向いておらず、
声ならゲームに入れるかもしれない!と思い、今に至る。
その時のこれだ!という作品は、テイルズシリーズ「ファンタジア」だそうです。
ファイナルファンタジーの全シリーズを通してバトル音楽が好きだが、気になることがり、
バトル音楽で大きな節目を迎えたのはFF7だと思うので、
FF4・5・6の戦闘曲を聞き比べてディスカッションしたいとのこと。
ウイカさんと清塚さんはFF5が好きみたいです。
松澤さんはFF6が好きとのこと。
私もFF6が一番好きでした。
聞き比べてディスカッションはとても面白かったです。
もっといろんな人の意見を聞いてみたいです。
ルーツがゲーム音楽にあり、作曲に挑戦したときに、
自分の為に自分が歌うロックな曲を作りたいはずなのに、
カービィのBGMのようなキラキラした曲ができてしまうらしいです。
ウイカさんとの対談は聞いてて一番楽しかったです。
いつか声のお仕事ができればいいですね。
ウイカさんの少年ボイス聞いてみたいです!
ゲスト ゲームクリエイター 小島秀夫さん& 三浦大知さん
常識を覆す、数々のヒットゲームを生み出したクリエイター。
2015年に小島プロダクションを設立。
2019年独立後初となる作品「DEATH STRANDING (デス・ストランディング)」をPS4向けに発売。
音楽についてのこだわりを聞くと、
音だけで8割決まる!
音響が無いとダメ!と強く語っています。
小島さんは映画がきっかけで音楽を聴くようになり、
映画を通して、バンド名を知ったり、ジャンルを好きになったり、音楽に興味を持つようになったそうです。
なので、音楽に興味がない人もゲームをやったことで、そのバンドを好きになったり、
ジャンルを好きになったり、あるいはミュージシャンになったり!
そういう事をしてもらいたいという気持ちがあり、音楽にはこだわっているとのこと。
昔のゲーム音楽はループしていたり、一定に流れている物が多いが、
ゲームをプレイしている中で、プレイヤーの感情とか状況によって音楽が変わる。
そういうことをしたい。それから、新しい音楽との出会いの場にしたいとも話されていました。
途中から三浦大知さんも加わり、 「DEATH STRANDING (デス・ストランディング)」 の音楽についての話になりました。
三浦さんはデスストランディングでミュージシャンとして出演されてるようです!
そして、ゲームで何故か厄介なところに住んでいるとのこと。(笑)
ゲームをやったことのある人なら分かる話みたいです。気になります…。
ゲームで流れる曲をどのタイミングで流すのか?
という話になるのですが、デスストライクでは時々、ゲームを誰かに監視されているのではないか!?
というメチャクチャ良いタイミングで音楽が流れるそうです。
映画がやテレビではできるかもしれませんが、いったいどうやってやっているのでしょうか!
これも小島さんのこだわりポイントで、
ゲームを普通に操作している中で自然に音楽を流したいので(カットシーンではなく)、
しっかり狙っているとのことです。ですが、まだ上手くいってないところもあるとお話されていました。
三浦さんは、『BBのテーマ』が印象的だったようです。
壮大なラストに繋がっていくシーンに流れて、震えたと語っています。
リクエスト曲: 「DEATH STRANDING (デス・ストランディング)」 より
BBのテーマ『BB’s Theme 』がラジオで流れました。清塚さんのピアノ演奏です!
小島さんは清塚さんの演奏を聴きながら
「独立したときのことを思い出して涙がでそうになった」と言っていました。
独立も大変だったし、作るのも大変だった。
事務所を探したり、銀行がお金貸してくれなかったり・・・。
そんなお話をされていました。
ゲームを作るのって大変ですよね。本当に感謝です。
小島監督は次回作のお話をチラッとしております。
企画はたくさんあるみたいです。
みなさんが気になる「AAA」
大きいゲームではできない、とんがったゲームを考えているそうです!
楽しみですね!
著名人へアンケート「ゲーム音楽と私」後半
ゲーム好きの著名人の方から「ゲーム音楽と私」というテーマでメールを頂いている。
※短く簡単にご紹介します。
中川翔子
ドラクエ4と5の天空上の音楽がとても好きです。
「聞き減りのしない音楽を」と、すぎやまこういち先生が仰っていたように
何度も聞いても、そして、いつ聞いても想像力がかきたてられ、幸せな気持ちになります。
ペルソナの戦闘の曲も好きで、この音楽には歌も入っていて飽きません。
コンサートに行くほど好きです。
酒井雄二(ゴスペラーズ)
幸運にも、1972年生まれの自分の見てきたものは、
ゲームの進化の歴史です。
アーケードゲーム・PC・ファミコンから現行据え置きゲーム機まで
技術の進歩を見続けてきました。
それぞれの音源方式や同時発音数の制限のなかで、
いいゲーム音楽があり、それらを聞いて育ったことは、
現在ゴスペラーズの人間の声、5声でアカペラを作るという縛りに向かい合う時、大いに役立ち資産です。
ゲーム音楽を通して間接的に、
ジャズやロック、ラテンといった音楽の栄養をふんわり吸収できていたことに後から気づきました。
実際に世界の音楽に触れるより先にゲーム音楽が噛み砕いて紹介してくれていた形です。
感想
いろんな方のゲーム音楽の話が聞けてとても楽しい番組でした。
どうしてこの曲が好きなのか。どんな所が好きなのか。そして、どんな気持ちになるのか。
と言うのを聞いたうえでゲストの方のリクエスト曲を聴くと、同じ気持ちになったような気で聴いてしまいました。
このシーンでかかるこの曲は本当に感動的!
というのを聞くとゲームにもとても興味が湧いてきて、
プレイしたくなるし、ゲームって本当にいいよなぁ。って思います。
ちなみに私の一番好きなゲーム音楽って何だろうと考えてみたのですが、
考えれば考えるほど、1番っていうのが決まらずに難しいのです・・。
でも一番はFF7かなぁ・・・。
豊崎愛生さんと被ってしまいますが、「エアリスのテーマ」は本当に大好きです。
優しくて綺麗な曲なんですが、エアリスのことを知れば知るほど
エアリスみたいな曲だなって思います。そうして、エアリスが大好きです。
その他はとてもオーソドックスかもしれませんが、
クロノトリガーや聖剣伝説2の曲も好きです。
マイナーどころだと、「いけにえと雪のセツナ」や「双界儀」の曲もオススメです。
(マイナーじゃないかもしれませんが・・・。(-_-;)
ゲーム音楽の話したいなー!
おすすめの曲があれば教えて欲しいですね!
ラジオを聞き逃した方はこちら(NHKラジオ らじる★らじる)から
※1月10日まで!