2022年4月1日に前編、4月8日の後編で放送された
「しくじり先生」でFF14プロデューサー兼ディレクターの「吉P」こと「吉田直樹」さんが先生として授業をしました!
《しくじり先生とは》
しくじり先生俺みたいになるな!
過去の成功に囚われてしくじらないための特別授業!というコンセプトの番組です。
しくじりから学ぶことは沢山ありますよね。
今回は、こちらの内容と感想をお話したいと思います。
私は、「旧FF14」から「漆黒のヴィランズ」の途中までプレイしていました。
今は休止中ですが、いつか絶対エオルゼアに戻りたいと思っています。
ファイナルファンタジーシリーズとスクウェア・エニックスのファンであります。
吉田直樹さんのプロフィール
- 株式会社スクウェア・エニックス 取締役執行役員
- ファイナルファンタジー14プロデューサー兼ディレクター
- ファイナルファンタジー16プロデューサー
長い!!(笑)どんだけ兼任してるんだ!偉い人ですよね?何しに来たんですか?
と、つっこまれまくりでした。
ゲーム業界のキャリアは
1993年ゲーム会社「ハドソン」から始まり、
「ボンバーマンシリーズ」を担当していたそうです。
ボンバーマン懐かしいです・・・。
スーパーファミコンで弟と遊んだ思い出よ・・・(笑)
2005年スクウェア・エニックス入社
2018年取締役執行役員に就任されたそうです。
ファイナルファンタジー16はシリーズ最新作で開発中!
こちらのプロデューサーもしているということで、
「吉Pがやってるなら!」と、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか??
私はめちゃくちゃ楽しみです!!
FF16『これは— クリスタルの加護を断ち切る物語』【FF16公式HP】
吉田直樹先生のしくじり授業内容
「ファイナルファンタジー14」
《ファイナルファンタジー14とは!》
ファイナルファンタジーシリーズ14作品目であり、
特徴としては、MMORPG(多くのプレイヤーがオンラインで1つの世界に参加できる)であることです。
FF14:【公式プロモーションサイト】【公式Twitter:@FF_XIV_JP 最新のニュース:FFXIV_NEWS_JP】
舞台は壮大な世界「エオルゼア」
世界を救う「光の戦士」となって冒険します。
『FF14新生編』から始まり、これまでに拡張パッケージが4作品あります。
- 『蒼天のイシュガルド』
- 『紅蓮の解放者』
- 『漆黒の反逆者』
- 『暁月の終焉』
オンラインゲームですので、ネット環境が必要となります。
また、FF14はパッケージ購入の他に月額課金制となっています。
吉田先生が語るFF14大きなしくじり!
ファイナルファンタジーシリーズと言えば、
世界的大ヒットを遂げたゲームタイトルです。
しかし、2010年に発売された「FF14」は、過去の成功体験が大きなしくじりを招き、
「10年に一度のクソゲー」と言われるまでに。
果たして、その原因とは?吉田先生が語ってくれました。
まず「成功しているから、前と同じことをやった方がいい」
という型にはまった考え方あるとのこと。
これに対して、生徒のカズレーザーさんは
「2世、3世が会社を潰すパターンね、
何も考えずに同じことやっているから」と、厳しいツッコミ。
当時、FF14制作スタッフの思いとしては、
『ファイナルファンタジーのグラフィックは世界一だ!』というのがあったようです。
ここで11年前のFF14のゲーム映像が流れました。
今見ても11年前とは思えないほど綺麗で美しいゲーム映像です。
この映像を見たファンの期待が相当高かったでしょう。
もちろん私もFFのグラフィックの良さに魅力を感じていました。
FF14を始めたのも、ムービーを見た時にこの世界で遊びたいと思ったのを覚えています。
あまり良いPC性能じゃなかったけど、何とか動いたんですよね(笑)
グラフィックは今よりも綺麗だったかもしれないです・・・。
しかし、グラフィックにこだわりすぎた結果・・・・。
- 制作に時間がかかりすぎる(花瓶を作るのに4カ月かかる!)
- グラフィックの容量が大きすぎてオンラインゲームなのに、
1画面にキャラクターを30人しか表示することができない! - 最終的にゲームが全然動かない!
このような問題を抱えることになります。
高い評価を得ているグラフィックにこだわった結果、
ゲームとして何が一番大事なのか見失ってしまったのかな?
もちろんFFのグラフィックはものすごく好きだけど、
これだとゲームじゃなくて映画作った方がいいんじゃ・・・?
さらに、「制作現場が大規模になればなるほど、分業も進み、隣の仕事の専門性が理解できなくなる」
その結果、エンジニアやプログラマーに容量の重たいグラフィックでも
「何とか動かしてよ!」という考えになってくるのだそうです。
こんな話を聞くと、チーム全体の連帯感が無いような感じがしますね。
こんな状況でも発売日は迫ってきます。
会社の上層部は「ひとまず発売して、どんどんアップデートしよう!」と決断します。
しかし、発売日に世界から酷評の嵐が来ることになるのです・・・。
- グラフィック以外すべてがダメ
- ゲームの中でやることがない
- 一応レベルはあがる。でもあげてどうする??
ゲームの中でやることがないってどういうこと!?という感じですよね(笑)
「強力なモンスターをたくさん用意して、ボスをどんどん倒してもらいたくても、
ボス一人作るのに1年半かかっていたので、敵を用意できていなかった」とのこと。
さらに、普通のドアを開けるにも15秒もかかっていたそうで、
かなりのストレスを生んでいたことでしょう。
メインストーリーを解放するのに、レベルが指定してあります。
次のストーリーを解放するまでにレベリングがかなり必要でしたが、
コンテンツもないため、その辺の雑魚敵をひたすら殴るという退屈な作業でした。
パーティーを組んで、みんなで拠点でレベリングは
今となってはいい思い出・・・(笑)
寝落ちする人続出!
当時、コンテンツファインダーという
自動でパーティーを組む機能もなかったので、
ダンジョンへ行くにもハードルが高めだったかもしれません。
ウルダハでシャウト待ちしてました。
しかも、初期のダンジョンって
結構難しかったような気がするんですよね。
「ゼーメル要塞」とか床ペロしながら前に進んでく感じです。
ここで吉Pが皆さんに伝えたいことは、
『強すぎる成功体験は「挑戦」「研究」への貪欲さを鈍らせる』
ということでした。これ、ゲーム業界だけでなく思い返せば身近にあるかもしれません。
「前回上手くいってるんだから、今回もそれをやっていこう」これは考えやすいです。
しかも、そういう意見の方が強さを持っているような気がします。
何かを変えた結果、悪くなれば責任を問われるかもしれません。
カズレーザーさんが言ったように、
「何も考えずに同じことをする」ということをチーム全体でしないようにするのが大事なんだなぁと思いました。
しくじりの結果どうなったのか・・・?
- 莫大な開発費の損失
- FFブランド崩壊の危機
- 社長が謝罪文を発表(当時の社長)
当時の社長が謝罪文を出すほど大事になってしまいました。
FF14はパッケージを買った上で、月額課金が必要なゲームですが、
お金を貰える状態じゃないということで、しばらく無料で遊べる期間が始まります。
これも記憶に残ってますね。
私はFF14がサービスを開始して、
少し経ってからゲームのことを知りました。
その時もFF14に対して良くない評価があることは知っていました。
それでもゲーミングPCを購入してFF14を始めたのは、
FFだからというのがあります。
この頃、FF14はパッケージすらも破格の値段で売られていて、
とあるお店では500円で売られていたとか・・・。
ただ、私は無料期間とか関係なく、
結構ウキウキで遊んでいましたけどね!
月額が無料になったのはラッキーでした。
あ、ちなみにこの時はまだ吉Pに限らず、
ゲームプロデューサーという存在が私の中ではとても薄かったです。
ここで吉Pに教えてもらったことは、
大きな成功をしたら、それは過去のもの。
次の挑戦は成功の延長線にあるものではなく、成功の上にある別の挑戦だということです。
新たな挑戦を始めるために、前回の成功中に潜む反省点にも注目していかなければいけません。
自分もどんどんアップデートしていかなければね!
立て直しの判断 どう乗り越えていったか
盛大にしくじってしまったFF14。
ここから吉Pはどう立て直していったのでしょうか。
FF14のこれからについて、2つのプランを提案したそうです。
- できる限りの修正をして3年でサービスを終了
- FF14をゼロから全部作り直して再出発
どちらも大きな決断ですよね・・・。
今のFF14を知っていると、
3年で終了しなくて本当に良かったと思います。
どのプランになったかは、みなさんご存じのとおりです。
FF14は今でも続いていますよね。
理由としては、売り上げどうこうではなく、
『もう一度信頼を取り戻すため』再チャレンジすることになったのです。
吉Pは自分がFFのファンであることから、
プレイヤーの悔しさが分かると言っていました。
「こんなに楽しみにしていたゲームなのに・・・!!」と、裏切られた気持ちが分かるのだと思います。
この決断は当たり前ですが、吉Pだけでなく、
会社として真剣に話し合ったことだと思います。
でも、話を聞いてると吉Pじゃないと、
ダメだったんじゃないかという気がしてなりません。
もちろん、会社全体でFFを大事にしているとは思っています。
再チャレンジの決断をしてくれた、
当時の上層部(?)の方々に感謝です。
失われた信頼をとりもどす!吉Pの作戦とは。
今から11年前、今ではお馴染みの
『プロデューサーレターライブ』が始まりました!
吉Pは信頼を取り戻すために、自らYouTubeに出て謝罪。
しかも、「用意した文章を読むだけ」の動画ではなく、生配信です。
FF14の責任者である自分が伝えるのが大事だと思い、全ての質問に答えたのだそうです。
その時の動画が今でも残っていますね。気になる方はご覧ください。【FF14チャンネル】
吉Pとモルボル
若い。
私も一緒に歳とってるんだよね。怖い(笑)
旧FF14から新生FF14への切り替え
旧FF14と新生FF14の切り替え作業はすぐにできることじゃありません。
まず新生FF14を作らなければいけないですよね。
この作業は2つのチームに分かれて行われました。
- 根性班(旧FF14を更新)
- 再生班(新生FF14を制作)
チームのネーミングが個人的に好き。
旧FF14がプレイヤーの間で
「根性版」と呼ばれているのはここからだったのか~(笑)
新しいFF14を作りながら、今のFF14のアップデートも続けて行く。
しかも、旧FF14で作ったものは新生FF14ではまったく使えないので、
ただ旧FF14を良くするためのアップデートです。
いずれ新生FF14になったら使われなくなるのですが、
「お客様を無下にすることはありえない」と吉P。
この困難を楽しむためどうしようかと考えたところ、
「現実で起きてることをゲームのシナリオにしてしまおう」ということを思いついたそうです。
「発想を変え、困難自体を楽しむ」
自分達が作っているのはエンタメなので、苦しみながら続けるのは良くない!
困難な状況でも、現状を楽しんでゲームを作るのを意識したそうです。
ここから、吉Pが思いついたシナリオの話になりますが、
聞いていてワクワクするような話で、
吉P的には「一丁やったるか」という機運があったそうです。
プレイヤーのみなさんはご存じの方もいるとは思いますが、
とてもFFらしいシナリオと、どんでん返しもあり!となっています。
ここで、その映像が流れます。大迫力です!!
↓しくじり先生で流れた動画はもう少し短かったです。
今改めて見て、しっかりストーリーを理解したというか。
そういえばこんな感じで旧FF14終わったよなぁという気持ちです。
本当に壮大なストーリーですよね。
実は、私は一番好きなストーリーは紅蓮編で、
そこからすごく気持ちが盛り上がったんです。
それまではストーリーよりも早く、
次のダンジョンや極蛮神行きたいなぁ。と思っていました。(笑)
今改めて見て、しっかりストーリーを理解したというか。
そういえばこんな感じで旧FF14終わったよなぁという気持ちです。
本当に壮大なストーリーですよね。
実は、私は一番好きなストーリーは紅蓮編で、
そこからすごく気持ちが盛り上がったんです。
それまではストーリーよりも早く、
次のダンジョンや極蛮神行きたいなぁ。と思っていました。(笑)
新生FF14の始まり。
新生FF14の始まりのストーリー・・・
最後の瞬間、賢者によってテレポの魔法で5年後の世界に飛ばされた。
しかし、世界はバハムートによって焼き尽くされたはずなのに、
こんなに美しい世界で復元されたのか?という謎を追うゲームとなっている。(吉Pより)
ここまでの話を聞いて、話が綺麗に繋がりました。
生徒達からも「FF14」遊んでみたいという声があがり、
私ももう1度あらためて、遊び直したいと思いました。
ただ、長いので時間があるときでないと・・・・。
最近始めた人が「昔のバージョン」を遊びたいという人もいるそうです。
しかし吉Pにとっては悪夢とのこと(笑)
私も旧FF14でまた遊びたいと思う時があるんですよね。
特に極蛮神の「イフリート」です。
新生と全然違うんですよね。
ここでは、ゲームをアップデートするたびに反省会をする。
「ポストモーテム」を大事にしているという話でした。
※「ポストモーテム」とは、プロジェクトマネジメントの世界で使われている言葉で、『事後検証』を意味します。
また、オンラインゲームの心得として、
遊んでくれるお客様がいる限り「ひたすら努力が続く」という覚悟が必要!
とのことです。この努力をもう10年以上してるということですよね。
吉Pが最後に伝えたいこと
挑戦にファイナルはない!
「この作品が最後になってもいい」と思うくらいチャレンジをしていく。
でないと、前作を越えられないし、FF14のようなしくじりに繋がってしまう。
このしくじりがなければ、分からなかった。
千里の道も一歩から、1歩ずつ進んで行くことが次の成功につながる。
この言葉で授業を締めくくりました。
ゲームのタイトルが「ファイナルファンタジー」だからこそ
心に響くというか・・・。
ファイナルファンタジーシリーズは、
まだまだ終わって欲しくありません。
FF14がタイトル通りのファイナルファンタジーにならなくて
本当に良かったです。FF15,FF16にも影響していたことでしょう。
吉Pの授業を受けての感想
FF14で遊んでいたからこそ、吉Pの言葉にものすごく感動しました。
こんなにプレイヤーのことを考えて作ってくれてるんだ。
何気なく楽しいからゲームで遊んでいましたが、このエンターテイメントを提供してくださる人。
作ってくれる人に感謝を忘れてはいけませんね。
吉Pはファイナルファンタジーの大ファンであるとか、ゲームがすごく好き!という部分で、親近感がありますし、
ゲーマーとファイナルファンタジーファンの気持を分かってくれてるような気がします。
何かあればしっかり吉P自身がYouTubeなどで、発信してくれるのも安心感がありますし、
吉Pの人柄でプレイヤーの信頼度やファンが増えている部分もあると思っています。(個人的には)
この放送を見て、またFF14やりたい!すぐにでもやりたい!と思ったのですが、
多分このゲームをやり始めたら止まらなくなるので、
今やっているゲームをある程度消化したらまた始めたいと思っています。
それまでは、FF14のアップデートを横目で見ながら予習ですね!
FF14とは関係ありませんが、世の中で働いてるすべての人は、
何かしら誰か、人の為になることをしていると思っています。
私も毎日働いていますが、正直そんな実感はまったくないですけど(笑)
でも、自分の手元から商品が次の人に渡り、どこかで役立っていると考えると、一応そういうことになりますよね。
吉Pがやってることは規模が多きすぎて、すごみが大きいですが、
普段の生活の中でも誰かのおかげで自分が助かったり、
幸せになったりすることがあることを忘れてはいけないと思いました。
本当に小さなことでも、「マックでポテト揚げてくれてありがとう」とか・・・(笑)
「美容師さん。ありがとう」とか。
受ける側は感謝、提供する側も謙虚な気持ちでないといけないなと、
ふと、そんなことを考えた授業でした。
吉Pの授業を見よう!
最後に、この授業は「AbemaTV」で見ることができます!
ただし、過去の番組は「プレミアム」会員でないと見ることができません。(吉Pは#122・#123に出演)
月960円となっています。
文章よりも、断然この番組を見たほうがより詳しく、細かなニュアンスも理解できますし、
吉Pと生徒のやりとりも楽しめます!是非見て頂きたいです。